健康サポート通信

因島市薬剤師センター薬局

医師が教える「SNS情報」の正しい見方

SNSで医療情報を収集する5つのポイント

①専門家の発信というだけで情報をうのみにしない

②出典のない発信は「個人の意見」と心得る

③複数の情報から「最大公約数」を探す

④検索ワードはなるべく「重ねない」

⑤病気は俗称ではなく「正式な名称」で検索

外科医“けいゆう”としてネット上で医療情報の発信を行い、ブログ累計1000万PV超、Twitterフォロワ-9万人超を数える山本健人医師がインターネットで医療情報を収集する際のポイントについて5つ挙げられています。

①、②について

今の時代は、ブログやSNS、You Tubeなどさまざまなツールを使うことで誰もが簡単に情報発信できるようになっています。その中で、発信側の問題として、発信する時の留意点がきちんと整理されていないと思われる時があります。

医学を含め、科学的な情報発信する時は、科学的な根拠を出典として明示するのが大原則です。この原則は発信するツールによらず、科学論文であろうと、書籍やSNSであろうと変わらないはずです。ところがSNSでは、この原則があまり意識されていないまま、人の健康に関する重要な情報が「カジュアル」に発信されることも少なくありません。

“情報の出典に注目すること”は、根拠とされている論文を明示したり、学会や公的機関が出しているガイドラインを参照しているかどうかということです。

Twitterという字数の限られたプラットフォームなどであっても、このルールを意識している発信者は連続ツイートしてでも必ず出典に触れています。

実際には、きちんと出典を明示していない限り、どれほど権威や知名度の高い発信者であっても、それは単に「個人の意見」を述べているだけです。無論、出典を明示していても、その発信が正しいという証明にはなりません。しかし、第三者が発信の妥当性を検証できるようになります。それが出典を記すことの意義です。

③について

信頼できる発信者を見つけたと思っても、その人だけの意見に頼らないこと。山本健人医師は、「最大公約数」を探すという言い方をしていますが、SNSなら複数の専門家をフォローして、発信の共通点や相違点を探すというアプローチが重要です。

というのも、一人の意見に頼ろうとすると、結局は自分の考えを肯定してくれるような人を探し始めるからです。要するに「結論ありき」で情報収集してしまうわけです。

④について

ネット検索については、ここ2~3年でGoogleのアルゴリズムがかなり改善され、医療機関でもあからさまに怪しい情報が上位に表示されることが少なくなりました。

ハズレ情報を掴まない検索テクニックとしては、検索ワード「or.jp」をプラスすると、公的な非営利サイトの情報のみが表示されるので、より安全な検索結果を得ることができます。

また、検索ワードはなるべく「重ねない」のもポイントです。例えば、「病名○薬○おすすめ」(○:空白)といった具合に、3つ・4つと検索ワードを重ねるほど、こうしたキーワードを狙い打ちした科学的根拠に乏しいサイトに引っかかりやすくなるからです。

⑤について

正式な病名で検索するほうが安全です。診察などで医師に正式な病名を聞いておき、覚えにくい時はメモに書いてもらうのもひとつの手です。正式な病名で検索するほど、学会や公的機関などが発信できる信頼のおける情報に出会える確率が高まります。

(2021.12.11 News Picks 〔解説〕医師が教える「SNS情報」の正しい見方より引用)